【高卒】工場勤務の年収、手取りはどれくらい?【給料明細公開】

「高卒の工場勤務っていくら稼げるの?」
「いまの工場の給料って、もしかして安い?」

そんな疑問を持つ方へ、「高卒」「工場勤務18年」の私が収入をズバリ公開します。
工場への就職を考えている方、別の工場への転職を検討している方の参考になれば幸いです。

この記事を書いた人
めがね課長

食品工場(大手関連会社)でオペレーター歴18年、現在も課長職として働く工場ワーカー。
記者、IT関連営業など10を超える職種を経験。
副業ライターとして活動中。アラフィフ。妻と子供2人

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目次

地方、中小企業、交替勤務なし

年収を公開するまえに、勤務環境・条件についてお話します。
私は以下のような工場で働いています。

  • 食品工場
  • 正社員
  • 勤続18年
  • 地方の中小企業
  • 日勤のみ。交替勤務はなし
  • 転勤なし
  • 変則週休2日制(土曜出勤あり)
  • 休日出勤はほとんどなし
  • 年間公休105日
  • 課長兼オペレーター

当然ながら、残業代に関してはしっかりと支払われます。
休日は工場カレンダーで年間105日と、法定休日数ギリギリで少なめ。この点には不満があります。
有給休暇に関しては、人的余裕があまりないので、気軽に好きなタイミングで取得できるわけではありません。
有休を使い切るのは難しく、残った有給の買取などもありません。ただ消失するのみなので、ブラックとはいかないまでも、グレーな工場といえるかも知れません。

高卒・工場勤務の年収公開

私の2022年の年収は以下のとおりです。

  • 総額=625万9702円
  • 手取り総額=456万4800円

国税庁の調査によると、給与所得者の平均給与総額は443万円とのこと(令和3年)。一応、日本全体の平均は上回っているようです。
ちなみに男性の平均給与は545万円(女性302万円)、正社員の平均額は508万円(正社員以外198万円)となっています。

「副業で年収アップ」もあり

いまの会社での年収に満足できない場合は、「副業」で年収を上げる方法もあります。
私もおもに休日を利用して、在宅副業で副収入を得ています。
こちらの記事で「工場ワーカーにおすすめの副業」を紹介しているので、参考にしてみてください。

高卒・工場勤務の給与明細

続いて、私の2023年6月の月収を見ていきましょう。

高卒、工場勤務の給料明細

多くの工場に当てはまると思いますが、私の会社にも「繁忙期」と「閑散期」があります。
この月は忙しい期間にあたり、残業を52時間もしてしまいました。
私は残業が嫌いなので、意図的に残業をする、いわゆる「生活残業」はしていません。やむを得ない残業だったのですが、それにしても52時間は働き過ぎました。
この月の収入は以下のとおりです。

  • 総支給額=48万3179円
  • 手取り額=38万936円

なお、閑散期だった2023年3月の例を挙げると
残業=25時間
総額=41万3000円
手取り=31万9000円

「閑散期でも残業が25時間」なのには理由があります。
私の勤める工場には「早出残業」という慣習があり、毎日必ず「定時より1時間早く始業」となるため、少なくとも毎日1時間は残業していることになるのです。
そのため、良くも悪くも毎月、出勤日数×1時間の残業は付く形となっています。

高卒・工場勤務のボーナスは?

最後に、2023年の夏の賞与の明細です。

高卒、工場勤務の賞与明細

控除額の大きさに文句を言いたくなりますが、それは置いておきましょう。

  • 総支給額=50万円
  • 手取り額=37万9206円

賞与は年2回です。
コロナ禍では多くの企業でボーナスが出ない、または減額されたようですが、私の勤める工場では従来通りの賞与が支給されていました。
工場全体の生産量、売上げは減っていたにもかかわらず、賞与への影響が少なかった点は経営者に感謝したいと思います。

高卒・工場勤務も「ある程度」は稼げる

高卒・工場勤務の年収、手取り額をご覧になって、あなたはどのように感じたでしょうか?
意外と多いと感じるか、やっぱり少ないと思うかは人それぞれでしょう。

私には妻と子供が2人おり、住宅ローンも組んでいます。上の子は短大を卒業して就職。下の子は公立大学に通っています。
短大へは奨学金を借りることなく行かせることができ、大学も公立ならばなんとかなりそうです。
贅沢はできませんが、家族4人がなんとか暮らしていくだけの収入は得られています。

しかし、ひとくちに「工場勤務」といっても仕事内容、会社の規模などによって得られる収入は大きく異なります。
次の項では、長年にわたり工場に勤務している私が考える「高卒でも安定して稼げる工場の条件」をお話しします。

高卒でも稼げる工場「4つの条件」

高卒が工場勤務で長期間、ある程度の収入を得るためには、以下のいずれかの条件に合った会社を選ぶことが大切です。

  • 大手企業の工場
  • 大手企業の委託生産工場
  • 資本力に余裕がある
  • 競合が真似できない技術がある

①大手企業の工場で働く

難易度は高いですが、最も安定して稼げるのはやはり、大手企業の工場で働くことです。
こう聞いて「大卒でなければ難しい」と思う方も多いでしょう。
しかし大手企業が、工場のある地元で従業員を募集することは珍しくありません。
大卒で入社すると「転勤」の可能性もありますが、高卒の「地元採用」であれば、転勤の心配はまずありません。

大手企業ならば雇用、給与の安定感はもちろん、休日数などの待遇面もしっかりしています。
チャンスは限られていますが、つねに募集をチェックしておくことで、入社の機会に恵まれる可能性も高まるでしょう。

大手企業の委託生産工場

大手会社の工場への入社が難しい場合、次に狙うべきは大手から生産を委託される「委託生産工場」です。
市場で大きな、安定した需要がある商品を持つ大手企業からの委託工場であれば、中小企業でも比較的安定した生産量、売上げが見込めます。
しかし、ここで注意点があります。
必ずしも「大手の製品を作っている工場だから安心」ということではなく、重要なのは発注元の大手企業との「関係性」です。

いわゆる「下請け」と呼ばれる業態ですが、大手と直接、取引をする「一次下請け」、一次下請けから仕事を請け負う「二次下請け」などがあります。場合によっては三次下請けもあるでしょう。
当然ながら、同じ下請けでも「一次下請け」のほうがより大手と密接であり、信頼関係が築かれています。その結果として、仕事量が激減する、仕事がなくなるといったリスクは低くなります。

私が勤める工場は中小企業ですが、一次下請けとして大手の食品メーカーと長年の付き合いがあり、信頼関係が築かれています。
個人的には、いずれ大手との資本提携、子会社化、吸収合併もあり得ると考えますが、働く側としてはその方が安定性、待遇面の向上も期待できるので歓迎です。

資本力に余裕がある

製造業である工場には、多くの設備、機械があります。私たちの給料(会社の売上げ)を生み出す根幹といえるでしょう。
それらの設備、機械の維持には多額のコストが必要であり、いずれは経年による更新(入れ替え)の時がやってきます。
設備更新にかかる費用は維持費の比ではなく、莫大な資金が必要となります。
「こうした資金を工面できる企業なのかどうか」は、働く会社を選ぶ上での大切なポイントです。

資本力のある会社、つまり「お金持ちの会社」ならば、設備更新もスムーズに行われ生産も安定、私たち従業員が古い機械のメンテナンス、調整に追われることもないでしょう。
しかし多くの中小企業は資金繰りに苦労しており、金融機関から融資を受けられればまだマシなほうです。
老朽化した設備を更新する余力がない工場は、大手企業からの発注に応えられず、生産縮小でジリ貧になりかねません。
このような場合、②で述べたように大手企業との関係が強固であり、大手としても下請けが立ち行かなくなるのは困る、そのような関係性ならば、大手企業からの援助や、資本提携などの解決策が取られることでしょう。

これから勤める工場に潤沢な資金があるかどうか、入社前に見極めるのは容易ではありませんが、少なくとも大手企業との関係がどのようになっているかを事前に知っておくのはとても大切です。

大手企業が真似できない”強み”がある

ここまで、大手企業との関係性の重要性を強調してきましたが、中小企業ならではの”強み”で業績を上げている工場もたくさんあります。
例えば「多品種・小ロット生産」です。
大手の工場の生産ラインは多くの場合、知名度のある限られた製品を「大ロット」で生産し、ひたすら同じ製品を作り続けています。そのため、需要はあるけれど、そこまで大量に作る必要のない製品には手が回りません。

ここで中小工場の強みが発揮されます。

大手の工場ではカバーできない小~中ロットの製品を機動的に生産することで利益を上げることができるのです。
私の勤める工場がまさにそうです。発注元の大企業の工場では、生産効率から作ることができない製品を委託されて生産しています。
また、新製品の「試作品」を作るのにも、中小の工場は向いています。大きな工場の設備で試作品を作るのは現実的ではありません。新たなヒット商品の開発に対応できるのも、中小の工場の強みです。

この他に考えられる「中小工場の強み」は以下のとおりです。

  • 他社が真似できない技術を持っている(加工精度、難易度の高い製品など)
  • 独自の製造に関する「特許」を保有している

こういった強みを持つ工場を探して就職できれば、たとえ高卒であったとしても、ある程度は稼ぐことはできます。
会社によっては、大卒者よりも稼ぐことができるでしょう。

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「もっと稼げる」工場を探す方法

最後まで読んでいただきありがとうございます。
私のリアルな「年収・給与明細」を見て、どのように感じましたか?
もしも、現在の仕事、給料、待遇に不満がある方は、以下のポイントを参考に、自分に合った工場を探してみてはいかがでしょうか。

  • 大手企業の工場
  • 大手企業の委託生産工場
  • 資本力に余裕がある
  • 競合が真似できない技術がある

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