「このまま一生、工場で働くのかな・・」
このように異業種への転職をあきらめている工場勤務者は少なくないのでは。
とくに高卒の場合、大卒者に比べて異業種転職のチャンスは限られているのが現実です。
しかし、あなたがまだ20代、30代ならば、あきらめるのは早すぎます。
いまは人生100年時代。
あと70年、80年生きるかも知れないと考えれば、あなたの人生はまだ序盤に過ぎません。
「長い残りの人生を、退屈な工場勤務で終わりたくない」
そんな人のために、これまでさまざまな業種で働いてきた私が、高卒・工場勤務者が異業種に転職するための「5ステップ」を解説します。
食品工場(大手関連会社)オペレーター歴18年。
現在も課長職として働く高卒・工場ワーカー。
過去に記者、IT関連営業など10を超える職種を経験。
現在は副業でブログ運営、Webライターとして活動しながら、定年後の”独立”をめざしています。
異業種転職に必要な「スキル」を身につける
高卒の工場勤務者が他の業種に就くのが難しい最大の要因が「スキルや経験の不足」です。
その”弱点”を克服する方法は「スキルを学ぶ」こと。
高卒者の多くは、理由はどうあれ「学んでこなかった」ことに違いはありません。
そしてその現実は、年齢を重ねるにしたがって”後悔”を生むことになります。
- 英語(外国語)
- 簿記
- 宅建
- プログラミング
- Web制作
- Webデザイン
- Webライティング
- Webマーケティング
就職に役立つスキルは他にも数多くありますが、選ぶポイントは3つ。
- 「好きな」「興味ある」分野から選ぶ
- 特に好きではないが「得意」である
- 需要の高い「ポータブルスキル」かどうか
興味があって好きなことは、学びを継続するうえで大切です。
しかし、必ずしも「好き」=「得意」とは限りません。
「好き」かつ「得意」なスキルを見つけられれば、まさに「天職」ですが、多くの人はそれが見つけられずにいます。
「好き」が見つからない人は、自分の「得意」を考えてみましょう。
「友達や家族によく質問される」「ほめられたことがある」など、ささいな事でも、それがあなたの「得意」かもしれません。
「ポータブルスキル」とは、会社や業界が変わっても役立つ「持ち運べるスキル」です。
例えば、私が勤める工場では多くの機械装置がありますが、工場によって扱う機械装置は異なるため、他社に移ってもすぐに役立つスキルとはいえません。
しかし、たとえば「Web制作」のスキルは業界、業種が変わっても需要があり、役立てることができます。
これから学ぶスキルは「好き」「得意」「需要」この3つをもとに選ぶとよいでしょう。
幸運にも、現在はインターネットの普及により「学ぶ環境」は整っています。
あとはあなた自身が「行動するかしないか」にかかっています。
高卒・工場勤務で異業種転職をめざす人には、私自身の過去の反省と教訓から、次の5つのステップで「現状から抜け出す」ことをおすすめします。
なお、若いうちは未経験でも正社員に採用される可能性は十分にあるので、基本を学んだら「ステップ③」を飛ばして会社に飛び込むのもありです。
「高卒・工場勤務」異業種転職への「5つのステップ」
これを読んで「時間がない」と思った方、それは「言い訳」ではありませんか?
- テレビを見る時間
- YouTubeを見る時間
- SNSを見る時間
- 飲み会
- パチンコをやる時間
私は5年ほど前まで、これらに多くの時間を費やしていました。
YouTube、SNSは今でも断ち切れずにいます。
でも「テレビ」「飲み会」「パチンコ」の時間はきっぱりと捨てました。
私は気づくのが遅すぎましたが、20代であれば、学歴のハンデを克服するのは十分に可能です。
若いうちは「遊びたい」気持ちもよく理解できます。
工場での仕事がハードであれば、体力的にもキツいかもしれません。
しかし、これからの長い人生を考えた時に、「役立つスキルを磨く時間」よりも大切な時間があるでしょうか?
高卒であればなおさらです。
「人生、詰むかもしれない」
そう危機感を抱けば、優先すべき時間はおのずと明らかです。
まずは「学びの時間」を確保しましょう。
「時間を作る」のはスキル磨きの第一歩ですが、それだけでは以前の生活に逆戻りする可能性が高いです。
決意してせっかく作った時間も、生活の一部に「習慣」として組み込まなければ継続できません。
朝、起きて食事をする。歯を磨く。昼食をとる。夕飯を食べてお風呂に入る。
私たちはこういった行動を何の疑いもなく、身についた習慣として続けています。
学びの時間も同じように、「やるのが当たり前」「やらないと気持ちが悪い」そう感じるぐらい日々の生活に取り込むことで続けることができます。
- 朝、起きたらパソコンを立ち上げる
- 仕事が終わったらまっすぐ家に帰り、パソコンに向かう
- 夕食後は読書をする
もし挫折しても、繰り返しチャレンジすれば、いずれ「人生を変えるスキル」を身につけることができるでしょう。
晴れて異業種に転職できたとしても、それで”人生安泰”というわけではありません。
ひと昔前ならば、年功序列で給料は右肩上がり、同じ会社で定年まで勤め上げるのが良しとされていました。
しかし現在は、日本型の終身雇用は終わりを告げ、私たち労働者は自分でスキルを磨き、それをバネとして「より良い会社」を選んでいかなくてはなりません。
転職の好循環に乗ることができれば、年収も徐々にアップしていくことでしょう。
「高卒・工場勤務」異業種転職のリスクと対策
「よし、転職しよう!」
そう決めたら、さっそく行動です。この瞬間からあなたの人生は変わっていくでしょう。
でも、そのまえにひとつだけ頭に入れておくべきことがあります。
それは「異業種転職にもリスクがある」ということです。
- 「知識とスキル不足」で適応できない
- 収入が減少
- 人間関係の悪化とストレス
以下でそれぞれの「リスク」と「対策」を解説します。
①「知識とスキル不足」で適応できない
異業種に転職する場合、新しい職種に必要なスキルや知識が足りないこともあります。
そのために、新しい職場での業務に対応することができず、仕事の成果を出せない可能性もあるでしょう。
もちろん、完璧な知識とスキルを身に付けてからの転職などあり得ません。
そう望んでいたら、いつまでたっても転職できず一生、工場勤務のままでしょう。
とはいえ、自身の実力と会社で求められるスキルがあまりにも乖離していては、気持ちよく仕事を続けるのは困難です。
自身と会社のミスマッチを防ぐには、以下のような対策があります。
- 転職前に必要なスキルや資格をしっかりと学び、トレーニングを受ける
- 経験豊富なメンター(指導者、助言者)からアドバイスを受ける
- 求人情報をよく調査し、適切な会社、業務内容を選ぶ
②収入が減少
異業種に転職する場合、短期的に給与が下がるのは覚悟しましょう。
また、新しい職場では早期の昇進や昇給も難しい場合があります。
のちほど「会社選びのポイント」でも述べますが、特に若いうちは「目先の収入にとらわれない」ことが大切。
良い転職先を見つけて努力すれば、いずれ「収入面」だけでなく「精神面」でも、現在の工場勤務を上回ることができるでしょう。
当面の収入減に対しては、以下のような対策をとりましょう。
- どれぐらい収入が減るかを予測し、生活費を見直す
- 転職前から貯金をしておく
- 予備の収入源を用意する(副業)
③人間関係の悪化とストレス
異業種転職に限らず、新しい職場では人間関係がうまくいかないこともあります。
工場勤務とは異なる雰囲気や習慣に適応できず、孤立してしまう可能性もあるでしょう。
また、新しい職場での業務に対応することができず、仕事の成果を出せないことや、人間関係の悪化などからストレスを感じることもあります。
これから足を踏み入れる業種では、工場勤務以上の「コミュニケーション力」が求められるかもしれません。
無理をする必要はありませんが、以下のような心がまえは社会人として必要となるでしょう。
- 転職前に業界や企業について調査し、予備知識を持つ
- 積極的にコミュニケーションを取り、新しい環境に馴染むよう努力する
- 新しい環境での人脈、ネットワークを構築する
異業種転職はリスクを伴うこともありますが、成功するためには計画的な行動と努力が必要です。
リスクを最小限に抑えるために「スキルの獲得」「情報収集」「慎重なポジションと会社選び」に努めましょう。
そのためには、新しいスキルを学べるオンラインサービスの受講や、「就職Shop」のような転職サービスでキャリアカウンセリングを受けることも役立つかもしれません。
「高卒・工場勤務者の異業種転職」会社選びのポイント
高卒・工場勤務から異業種転職する際には、以下の優先順位で会社を選ぶことをおすすめします。
- 労働環境
- キャリアアップの可能性
- 企業の業績や安定性
- 給与水準
①労働環境
「労働環境」とは、従業員が働く職場全体を指す言葉です。
具体的には、物理的な環境(明るさ、温度など)だけでなく、人間関係や仕事量、裁量権など、仕事に関わるすべての要素を含みます。
集中して仕事に打ち込むことができ、かつ能力が発揮できるのは、快適な労働環境があってこそ。
入社して初めて分かることも多々あると思いますが、インターネットや会社見学などで、できる限り事前の情報収集に努めましょう。
②キャリアアップの可能性
キャリアアップの可能性は、若い人にとって重要なポイントの1つです。
キャリアアップのためには、自分自身のスキルや能力を磨くのはもちろん、会社が提供する研修や教育制度を利用することも大切です。
大企業のほうが多様な職種や部署があり、キャリアアップの機会が多い傾向にあるのは確かです。
しかし職種や部署が限られているで中堅企業あっても、着実にスキルを磨くことで少しずつ条件の良い企業へとステップアップすることは可能です。
③企業の業績、安定性
若者が会社を選ぶ際には、将来的な成長性や安定性も重要なポイントです。
成長性が高い企業では、新しい技術やサービスを開発することで市場を拡大し、将来的な成長が期待できます。
一方、安定性が高い企業では、景気変動に左右されずに安定した経営を続けることができます。
安定感でいえば大企業ほど優位なのは間違いありません。しかし、高卒者がおもな採用対象である中堅企業にも、地道に利益を上げて安定している会社はあります。
腰を落ち着けて働ける会社に出会うまで、フットワーク軽くステップアップしていきましょう。
④給与水準
給与水準が4番目?そう疑問に感じた人もいるかもしれません。
これは私自身の経験による見解です。
少なくとも20代のうちは給料よりも、「身につくスキル」を基準に会社を選ぶべきだと考えます。
なぜならば、給料で会社を選んでしまうと結局「続かない」うえに「スキルが身につかない」という悪循環に陥るからです。
スキルを持たない高卒がすぐに就けて、給料が高い職種といえば「営業」か「交替制の工場勤務」ぐらいなのが現実です。
性格的に営業に向き、好成績を上げられる人は営業スキルを極めるのも良いでしょう。
交替制の工場勤務を決して否定するつもりはありませんが、20代、30代ならば別の道を経験するのをおすすめします。
私自身は20代の頃、興味があった「出版業界」にフリーターから飛び込みました。
経験した広告営業では、高収入を得られた時期もありましたが、性格的に向かず、編集局への異動を希望。
そこでの「記事を書く」経験が、現在の副業である「Webライター」、そしてサイト運営に活かされています。
需要が高まる「高卒求人」
高卒者の就職活動について、日本経済新聞によると、少子高齢化で大卒者の就活は学生優位の「売り手市場」となり、高卒者を対象に採用を始める中堅企業も出てきたといいます。
令和時代の「金の卵」を巡り、初任給を大卒者と同等にする動きもあるそうですが、高卒者の求人倍率は50年ほど前の高度経済成長期、バブル経済期直後以来となる高水準となっています。
日本経済新聞
厚生労働省は、令和5年3月に高校や中学を卒業する生徒について、令和4年7月末現在の公共職業安定所(ハローワーク)求人における求人・求職状況を取りまとめました。
対象は、学校やハローワークからの職業紹介を希望した生徒です。その結果、高校生の求人倍率は3.01倍で、求人数は前年同期比16.2%増加しているといいます。
厚生労働省
ブラック企業には気をつけて
最後にお伝えしたいのは「ブラック企業には気をつけよう」という話です。
若くて社会経験が浅いうちは、自分の働く会社がブラックかどうかを判断するのは難しいかもしれません。
私自身もこれまで、いくつかのブラック企業を目の当たりにしてきました。
その経験に基づいた「ブラック企業の特徴」は以下の記事で解説していますので、参考にしてくださいね。
それでは、あなたのスキル磨き、就職活動の健闘をお祈りします。
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