高卒工場勤務の底辺人生④「パチンコ店に就職、そして離婚の危機」

2児の父親となった私は、大きな選択を迫られました。
このままスーパーの店員として働くか、それとももっと稼げる仕事に転職するか。
どちらが我が家の未来にとって良いのか、正直なところ悩みました。

この記事を書いた人
めがね課長

食品工場(大手関連会社)オペレーター歴18年。
現在も課長職として働く高卒・工場ワーカー。
過去に記者、IT関連営業など10を超える職種を経験。
現在は副業でブログ運営、Webライターとして活動しながら、定年後の”独立”をめざしています。

目次

パチンコ店に就職も・・

昭和や平成初期の日本では、一度就職したら定年まで同じ職場で勤め上げるのが一般的でした。
しかし、現代では転職は珍しいことではなく、むしろキャリアアップとして捉えられることが多くなっています。
それでも、家族を養う責任を抱えた身として、大きな一歩を踏み出すには勇気と覚悟が必要でした。

私自身、貧乏な家庭に育ったため、数々のみじめな経験をしてきました。
給食費が払えないことや電気・ガス・水道が止められることはごく日常茶飯事でした。
それに、遠足での貧相なお弁当…。
これらの経験は、私の心に深い傷を残しました。
正直なところ、いじめにも遭わずに済んだのは運が良かったと今でも思っています。
だからこそ、子供たちには決してそんなみじめな思いをしてほしくないという強い思いが私を突き動かしました。

私が選んだ次の就職先は「パチンコ店」でした。
いわゆる「究極のサービス業」とも言われるパチンコ店をなぜ選んだのか?一番の理由はその給料です。
スーパーの店員としての日々よりも高収入が見込めたからです。
それに加えて、私自身がパチンコになじみがあったことも大きな理由でした。

私が約15年以上前、まだ東京に住んでいた頃、休日ごとにマルハン新宿店の抽選に朝から並んでいたほどパチスロにのめり込んでいました。
「初代アラジン」から始まり、「アステカ」、「獣王」、「北斗の拳」・・・数え切れないほどの機種を打ちました。
その間にいくら負けたのかを考えると恐ろしいですが(笑)。
この、賭け事としてのパチスロから足を洗うことができた経緯については、また別の動画でお話ししたいと思います。

さて、パチンコ店の店員の仕事内容を皆さんはどのようにイメージしていますか?
お客さんの出玉を計数機に流すことやカウンターでの景品交換、そしてパチンコ玉の詰まりの解消やメダルの補充といった業務が主です。
さらに、目立たないところでは台やドル箱の清掃、お客さんの話し相手になることや愚痴を聞くこともあります。
中には台を叩いたり、店員に食って掛かってくるお客さんもいて、大変な仕事です。
また、多額の現金を扱う仕事でもありますから、常に緊張感が付きまといます。

私は正社員として入社し、班長、主任とステップアップしていきました。
十分ではないにせよ、何とか家族を養っていける収入を得ていました。
妻も、ひとまず安心してくれていたと思います。
しかし、ここで問題が発生します。
もともと腰痛持ちだった私ですが、その痛みが次第に激しくなり、仕事で思うように動けなくなってしまったのです。

転職すると聞いた妻の反応

整形外科に通い、治療を受けても一向に腰の痛みは収まりませんでした。
私が勤めていたパチンコ店は接客に非常に厳しく、大当たりしたお客さんのドル箱を全てスタッフが床に下ろす必要がありました。
その作業を繰り返すうちに、私の腰は限界を迎えました。
ある日、お客さんのドル箱を計数機まで運ぶ際、あまりの痛さに体制を崩してしまい、パチンコ玉を床にぶちまけてしまいました。
幸い、お客さんは非常に優しい方で、「大丈夫?」と声を掛けてくださいましたが、私にとってはこの仕事に限界を感じた瞬間でした。

その日の帰宅後、私は妻に「パチンコ店を辞める」と告げました。
妻は当然のように「次の仕事はどうするの?」と尋ねました。
「1か月後に辞めるから、それまでに何とか探すよ」と私は答えました。
「次が決まってないのに、どうして辞めるの?」そう言って妻は納得できずに怒り出しました。
子供が二人いるのに、仕事を辞めるなんて責任感のない行動にも見えるでしょう。
思わず「辞めるまでに絶対に探すから」と根拠のない約束をしてしまいました。
今では自分自身でも呆れるような無計画さです。

その夜、妻は子供たちを連れて出て行ってしまい、帰ってくることはありませんでした。
翌日、私が帰宅すると、妻と子供たちは戻っていましたが、ダイニングテーブルの上には「離婚届け」が置かれていました。
妻の気持ちは痛いほど分かります。無責任な夫を持ってしまったことへの失望だったのでしょう。

高卒工場勤務の「底辺人生」⑤へ続く


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